現在の東京千代田区に観音坂なる坂があり、この坂の名前の由来は、芦浦観音寺の屋敷が坂の麓にあったことからと思われる。元禄時代の古地図には「アシ浦ノクワンノンジ」が明記されている。
この場所は現在のJR御茶ノ水駅から北東方角に位置する。
観音寺は室町から江戸の貞享年代まで110年間、琵琶湖の湖水奉行をしていたので元禄の地図に江戸での屋敷があってもおかしくない。
しかし、いつ頃からあったものか不詳である。
またこの坂には聖観音を祀った祠があるが、当寺との関係は不明である。千代田区が設置した道路案内標識には
【標 識】
説 明: この坂を観音坂といいます。『東京名所図会』には”新編江戸志に、観音坂は埃坂の並び、むかし、茅浦観音寺やしきありし故に名づくなりと見ゆ。此の坂の上観音院という称する仏刹ありしことは寛永の古図を見ても知らるべし、新編江戸志に観音寺とあるは観音院の誤りなるべし''とかかれています。しかし、延宝(一六七三〜八〇)、元禄(一六八八)の古図には、このあたりに「芦浦観音寺」が見え、名の起こりは観音寺または観音院によるといえます。
設置者: 千代田区
設置日: 昭和五十年三月(平成二十年三月補修)
とあります。
新撰東京名所圖會抜粋
その他の文献参考資料
現在の観音坂の位置